前回までのストーリー
道央
宗谷岬を出発した後、
道東にも行きたかったのだが、
いかんせん 金が無い。
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のんびりと旅をしていたら、
帰りのガソリン代すら無くなってしまう。
仕方がないので、
宗谷岬から道北の海側を東に走行中
北海道の中央部分にある
美瑛町へ向かう事にした。
牧場
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北海道の土地は広大である。
東北エリアは山や谷が連なっているが、
北海道は平地が多く、牧場がたくさんある。
美瑛町に向かう途中、
脇道にある牧場で休憩する事にした。
牛が放し飼いになっており、
管理人おろか柵すらない牧場で
見渡す限り、草原と牛と僕だけだった。
牛さん達は
僕がいてもいなくても、のんびりしていて
牧場は居心地がよかった。
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お腹が空いてきたので、
渋谷の露店で購入したキノコを、
水筒に入れておいたスープに混ぜて
食べる事にした。
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![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/farm2-3-1024x864.jpg)
そしたら
気分が少しオカしくなったので、
少し横になった。
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ふと我に返ると
ここには本当に牛と僕しかいないんだ
と再認識した。
せっかくだから・・・
と思ったが、
それはやめておいた。
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しばらく寝転がっていて
僕を包み込んでくれている芝生が
母なる大地である事に気が付くと
なんだか・・安心した。
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僕もいつかは 土に還るのだろうか・・・
そんな事を考えていた。
美瑛の丘
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/22945153_m-1024x683.jpg)
美瑛町に到着してから、
まずラベンダー畑を見に行った。
まだなんとか咲いている時期でよかった。
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/4927962_m-1024x683.jpg)
その後、
美瑛町付近を走っていたら、
またとつぜん迷子になった。
さっきまでは
公道を走っていたはずなのに
いつの間にか
山道となり、坂道になっている。
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/drivingonhill-1-1024x864.jpg)
この丘を越えて行くしかなさそうだ。
そのまま急な坂道を走っていくと、
道の終わりが見え始め
丘の頂上地点を通り越した瞬間、
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/exit-1024x576.jpg)
僕は言葉を失った。
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!!!!
そこからの景色は
上手く説明出来ないが、
山は何層にもわたって連なり
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/4294942_m-1024x768.jpg)
空半分は雨雲で覆われて雨が降り
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/halfdark-1024x864.jpg)
もう半分は太陽の光で虹がかり
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大地の麦畑が明暗の境を映していた。
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/halfrain-1024x765.jpg)
僕はバイクで丘をくだりながら、
この景色の全てに圧倒されていた。
すると とつぜん 涙が
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あれ?
止まらない。 どしたんだろ。
胸の奥からドンドン何かがこみ上げてくる。
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どうしようもなくなった僕は
ついに
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/taroexplotion-1024x864.jpg)
爆発した
![](https://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/fixed-pic-1-1024x864.jpg)
なんだか良く分からないけど、
突如として現れた
この説明がつかないぶっ飛んだ景色に
病んだ心が癒されて、
淀んだ心が洗い流されて、
涙となって出たんだと思う・・・
![](http://vagabundo.blog/wp-content/uploads/2022/05/taroaftercrying.png)
はぁー はぁー
一旦全部リセットされると
そもそも
心を傷つけて病ませていたのは、
自分自身でもある事に気付かされた。
儚い景色
あの丘から見た景色は、
もう2度と見る事はないだろう。
たまたま通り抜けた丘は
何処にあるかも分からないし、
あの 雲、太陽、雨、虹 は
あの時にしか見れない。
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その自然の美しさは
僕の記憶の中で
今でも鮮明に蘇り、
決して薄れていく事はない。
つづく・・・
全裸で走り回るか!