前回のあらすじ
津軽海峡フェリー(青森県下北郡大間町)
岩手県花巻市を出発した後、
気さくに話しかけてくれる
フレンドリーな民がいる東北を走り抜け
青森県下北郡大間町の
フェリー乗り場に到着した。
北海道にバイクで渡れる道はないので、
フェリーに乗るしかない。
まずは函館まで行かねば。
フェリーに乗るのは初めてで
すごい緊張していたのに、
自分自身でバイクを船内に乗り入れるのは
もっとドキドキした。
大町~函館までの航海時間は約90分。
出航してから
雑魚寝する場所にいたが
船酔いをしてしまい、
気分転換に甲板へ出る事にした。
フェリーでの出会い
甲板からの眺めは、美しかった。
だんだん近づいてくる北の大地、
水面にキラキラと光る太陽の光、
風の中に混じる海の匂い、
9月上旬の心地よい外気温
いよいよ北海道バイク旅がはじまるのだと
気持ちが高ぶってくる。
甲板にいた乗客を見回してみると
バイクのヘルメットをぶらさげている
軍服の人を発見した。
そういえば、さっき
バイクを船内に乗り入れた時
見かけた気がする。
ひょっとしたら
北海道バイク旅に精通している人で、
なにか有力な情報が得られるかもと
話しかけてみた。
誠実さの結晶みたいな瞳と
礼儀正しそうな眉毛だ。
歳は25ぐらいのお兄さん。
話してみると自衛隊で、
北海道の島で訓練を受けているらしい。
休暇を内地(本州)でとり終わり、
訓練基地にバイクで戻る途中だそうだ。
僕もバイクで宗谷岬まで行く事を話すと、
途中まで一緒に走る事になった。
私はマサルと申します。
一緒に参りましょう!
心強いです!
こうしてマサルさんと
北海道バイク旅が始まった。
Riding in the rain
お昼ごろ、函館港に到着すると、
天気は急変して雨が降り出した。
Lucky Pieroというハンバーガー屋さんで
腹ごしらえをした後、
僕たちは雨具をまとって出発。
すぐに雨の激しさが増してきた。
マサルさんはポンチョの雨具上下と
グローブ、風防付きのヘルメットで
雨対策は完璧だったが、
僕は上だけ雨具で下はジーパン、軍手、
半帽のバンダナだった。
パンツまでビショビショになりながら、
顔面を打ちつける雨に
耐えなければならない。
北海道の初日は、
なかなか過酷だったと思う。
この日は1日中、雨の中を走った。
途中路面スリップしたり、
バイクが軽く倒れたりしたが、
なんとか登別市まで到着できた。
登別市カルルス町
夜になって、冷えきった身体を温める為
日帰り温泉に行った。
1日の出来事を振り返りながら
露天風呂で語り合うのだ。
バイクが別々だと
走行中に会話ができないから、
あの時は実はあーだった、こーだったと
話がはずむ。
登別カルルスの温泉は
カルピスのように白く濁った温泉だと
信じ込んでいたが、
それは入浴剤だけであって、
実際は無色だった。
よく温まる事ができて、
疲れは一気にふっ飛んだ。
温泉入浴後、
森の中にあるキャンプ場にてテントを張り、
焚火を囲んだ。
夕食を済ませて落ち着いてきた頃、
ジョイントに火をつけると、
マサルさんは興味津々で匂いを嗅ぎ、
一気に吸い上げた。
くん くん
スーッ ・・・
ぶーっ !!!
ぶりぶりぶりー!!
そしたら5分もしない内に、
私はもう寝ます。
テントに行ってしまった。
Adios Amigo
翌朝・・
目が覚めて、外にでてみると
マサルさんはとっくに準備を整えており、
出発するところだった。
急がなくてはならないので、これで失礼します。
そう言い残して
マサルさんは足早に去ってしまった。
まだ寝ぼけていた僕は、
何が何だかよく分からないまま
テントをたたんだ。
お礼の一言もちゃんと伝えられないまま、
お別れになるとは・・・
うーん
・・・
とりあえず、宗谷岬に向かうか!
この時は何故
マサルさんが去ってしまったのか
よく理解できなかったけど、
僕は気を取り直してバイクを北に走らせた。
to be continued…
あのー・・・