バイカー19ブルース (90年代・青春バイク旅) Episode 4

riders

前回までのストーリー

biker19blues
bikerwithsunset

北海道にはライダーハウスといって、

自転車やバイクで旅する人達用の

宿泊施設がある。

宿泊無料の場所もあるらしいが、

僕は一度も使う機会がなく

代わりにテントを張って夜を過ごした。

神社の敷地内、橋の下、防波堤とか・・

床に敷くマットがなかった為、

地面がコンクリートだと、

体の熱が奪われて寒かった。

wakkanai

ライダー

旭川市から道北エリアに入ると、

他のライダー達とすれ違う事が増えてきた。

その際、

手を伸ばして挨拶する習慣がある事を知った。

普段知らない人とは挨拶などしないのに

バイクですれ違う一瞬の挨拶は

なんだか楽しい。

キャピTARO

Hi

ライダー

Bye

なかには

大量の荷物を載せて自転車旅をする人も

たくさんいて驚いた。

僕がバイクで走り過ぎていく間にも

彼らはたくさんの人達と出会い、

様々な事を発見するのだろう。

自転車ライダーにしか見れない

景色は必ずある。

宗谷岬 – 日本最北端の地(北海道稚内市)

さて 東京を出発してから、

のらりくらりと約3週間が過ぎた頃

ようやく目的地に近づいた。

(日本最北端)宗谷岬がある稚内市に

入った時は すでに陽が落ちていた。

宗谷岬まであと30分くらいなので

海沿いを走っていけば

すぐ着くだろうと思っていたが、

なかなか現れない。

場所を再確認する為、

通りのコンビニへ立ち寄る事にした。

車に乗りかけていたカップルに、

宗谷岬は何処かと尋ねると

と教えてくれた。

キャピTARO

あと少しか・・・

思い返してみれば、

出発してから道中色々あった。

何だかこみ上げるくるモノがある・・

目的地に到着する前に、

ちょっと一服する事にした。

キャピTARO

フーッ

一服した後、宗谷岬がある方向へと

バイクのスピードを上げた。

すると突然、

前方の車がスローダウンして

ハザードを付けだした。

なんか見た事がある車だな 

と思っていると

さっき道を教えてくれたカップルだった。

何か様子がおかしい・・

キャピTARO

あっ

宗谷岬を通り過ぎてしまったのである。

キャピTARO

アイヤー

すかさずUターンをして、

海側を見ながら走っていると

宗谷岬のサインを発見。

僕は駐車場にバイクを止めて、

辺りを見回した。

海沿いに石碑のような物が建っていて、

近ずくと共に波の音が強くなる。

そして、いよいよ

石碑にたどり着くと・・・

そこには【日本最北端の地

と書いてあり

旅の半分が終了した瞬間だった。

同じ場所

到着した感動の余韻にひたっていると

よその観光客が現れた。

会話を聞いていると、

さっき東京から飛行機で着いたらしい。

観光A男

これが宗谷岬・・・

観光B男

まあ こんなもんかー

観光C男

えっ!?

人がこんなに苦労して困難を乗り越えて、

やっとたどり着いた場所が

キャピTARO

こんなもん だと⁉

と一瞬思ったが、

もし自分が飛行機で到着して

観光の一環として立ち寄っただけと

想定してみると

キャピTARO

そんなもん

なのかも知れない。

石碑だって、これと言って

インパクトがある訳でもない。

僕はこの地を折り返し地点として、

わざわざバイクで来たからだろうか。

同じ場所から来て同じ場所にいるのに、

目的や手段によってこんなにも違うのかと

考えさせられた。

とりあえず記念写真を撮ってもらう為、

空を飛んできた彼らに

写ルンですを手渡した。

キャピTARO

すんませーん

その日は近くにテントを張る事にした。

翌日、

陽が登ってから再び宗谷岬に戻ってみると、

石碑の後方にうっすら島が見えた。

キャピTARO

サハリン島?

日中は観光客がチラホラ見える。

みんなそれぞれ

ここに来たストーリーがあるのだろう。

僕のストーリーは

ここからバイクで東京への折り返し。

旅の後半戦の始まりだ。

キャピTARO

よっしゃー 行くぜーい

つづく

running on farm